「THE ROAD」TREK とともに。
――生きている間に、叶ったことのひとつ。
娘が、小学校に入学して間もなく私は、ガンの摘出手術を受けました。
その後、ガンは、転移し再発
くしくも、息子の入園式の日から、
抗がん剤治療が始まりました。
四か月後、職場に復帰しました。
けれど、再び転移。
そこから、およそ二年にわたる、闘病生活。
退院したとき、心も、体も、ボロボロでした。
転移、再発――それは、「延命」という言葉と同じ意味に聞こえて。
何も、できなくなっていました。
社会復帰もできず、独立のための資金も、
子どもたちの学資積立も、なくなり。
極貧の生活。
「生きててよかったね」そう言われても、
ガンなんかに、ならない方がいいに決まっている。
……そう、嘆くばかりでした。
自分の居場所がない。これほど、苦しいことはありませんでした。
死ぬ前に、息子と、ロードバイクで走れたら。
それは,夢のまた夢だと、思っていました。


退院から、七年。その夢を、果たすことができました。
ほんの、些細なことかもしれません。けれど、


TREK――この自転車がくれたのは、かけがえのない、
最高の幸せでした。日常を生きていると、小さな喜びを、
感じられなくなってしまいます。
入院中。寝たきりの状態から、起き上がることさえ、苦しかった。
歯を食いしばり、歩行器を使って歩いた。
ただ,歩けただけなのに。本当に嬉しくて、涙が止まりませんでした。
あのとき見た朝陽は、人生でいちばん眩しく見えた・・・・


近所の低い山だけどまだ登りきったことがない、
もう少しで坂道を登りきる、頂上から朝陽が照らしだされた
あのときに見た眩しさだった
自転車(TREK)があのときの喜びをおもいださせてくれた
やり直すきっかけは些細なことだったりすぐそばにあったりする
一筋の光がそのことにも気づかせてくれたのかもしれない
越えられない山は、たくさんあります。
弱音を吐きながら、ここまで、来ました。
坂道が辛いときは、歯を食いしばりダンシング(立ち漕ぎで、リズムよく進む)
人生も、同じ。辛いときこそダンシング。
どんなことでも必ず越えられる。
まだ、やりたいことがある。
……いや。やらなければならないことが、ある。
果てしなく続くON THE ROAD

